病院で使用する、ベッド柵の選び方と注意点
「病院のベッド柵の種類、色々あるけど、何を選んだらいいのかな?」
「ベッド柵を使うときの注意点って?」
「それぞれにあったベッド柵ってなに?」
などの疑問をもったことはないでしょうか。
安全のために設置するはずのベッド柵ですが、柵の隙間に身体の一部が挟まれる事故も多く報告されているため、一人ひとりにあった柵選びをする必要があります。
この記事では、看護師である私がベッド柵の選び方と、使用する際の注意点を説明していきますね♪
病院のベッド柵の目的
転落予防
利用者の転倒・転落予防、掛け布団など寝具の転落予防を目的として使われています。
マットレスのズレ予防
起き上がり、寝返り、移乗動作などによって、マットレスが動いてしまうのを予防します。
病院のベッド柵の種類と特徴
サイドレール
サイドレールは利用者の転落予防や、寝具のずれ落ち予防を目的としていて、多くは特殊寝台のフレームに差し込んで使います。
取り外し可能のため、取り付ける位置・個数が自由に調整できるメリットもあります。
しかし体重を支えるよう設計されたものではないため、起き上がり・立ち上がり・車椅子への移乗動作に使うのは、大変危険です。
柵がはずれ、大怪我につながってしまう恐れがあるので、気をつけましょう!
折り畳みサイドレール
ベッドと一体になっており、取り外すことはできません。
レバー操作で折りたたむことができるため、使わないときは収納できるメリットがあります。こちらも体重を支えることはできないので、サイドレール同様に注意が必要です。
介助バー
サイドレールでは対応できない、ベッドからの起き上がり・立ち上がり・車椅子への移乗動作をサポートすることを目的としています。
ベッドの位置、利用者の起き上がりやすい方向、車椅子への配置などを考えて取り付け位置を変える必要があります。
病院のベッド柵の選び方
ADL・介護区分によって、使用する柵の種類を変えましょう
利用者の身体の状況に応じ、取付位置を変えることも大切です。
介助バーに向いている場合。
要支援2〜要介護1
歩くときに少し不安定ではあるが、福祉用具を使用することで、ほとんどの生活の動きをひとりで行える方。
車椅子を使用するなど、半分介助が必要な方。
折りたたみサイドレール・サイドレールに向いている場合。
要介護2〜5
生活する上でほぼ介助が必要で、ベッドからの転倒が心配な方。
寝たきりなど、全介助が必要。
安全に使用するために、気をつけること
ベッド柵に腰かけない。
滑ってバランスを崩したり、ベッド柵が外れるなど、転倒や怪我の危険があるため、やめましょう。
ストッパーがついている場合は、確実にロックする
ロックが不十分だと、何かの拍子に外れてしまい、ベッドからの転落や怪我をする恐れがあります。
柵に体重をかけない
柵に体重をかけると圧迫により、身体の損傷に繋がったりします。
サイドレールを折りたたむ際は、手指を挟まないように注意する。
柵とベッドの間に、身体の一部を挟み、骨折するなどの危険があります。
使用者の状態に応じ、工夫をする
柵とベッド・柵と柵の隙間を、クッションや毛布などでふさぎ、身体の一部が入りこまないようにしましょう。
事故予防のために使えるグッズ
ベッド柵のすきまをなくすグッズなどを利用し、使用状況に応じて使ってみるのもいいかもしれません♪
・サイドレールカバー
・折りたたみ柵カバー
・スペーサー
まとめ
快適に過ごしてもらうために、個々にあった柵を選ぶことが大切です。
グッズなども活用しながら、安全に使っていきましょう!