要介護５について
みなさんは要介護５と聞いてどのようなイメージをもたれますか？介護度の中では最も重い身体状態を指しますが、このような状態になっても在宅で生活することは可能なのでしょうか？またどんなサービスを受けることができるのでしょうか？今回は要介護５について学んでいきたいと思います。
要介護５の具体的な身体状態について
要介護度の中でもっとも重い状態を指す要介護５ですが、具体的にどのような状態をし、どんなことに注意をすればよいのでしょうか？ここでは要介護５が示す身体状態や日常生活での注意点について触れていきたいと思います。
要介護５の具体的な身体状態
要介護５の身体状態を表す一つの基準となる考え方をご紹介します。
・身だしなみやお部屋の掃除などの身の回りの世話ができない。
・立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作ができない。
・歩行や両足での立位保持などの移動の動作がではできない。
・トイレの動作ができない。
・おおくの問題行動や理解力の低下がみられることがある。
以上のように要介護５の身体状態になると日常生活を送るうえでの動作はできなくなってしまいます。常に介護者が必要な状態になるため、自分一人で生活を送ることは不可能です。
一人暮らしの方は特別養護老人ホームなどの施設へ入所できればよいですが、在宅で生活を送らなくてはならない単身者の方は、介護や医療の在宅サービスを受けながら生活を送ることが必要となってきます。
要介護５の方の日常生活での注意点
要介護５の状態は常に介護が必要な状態であるといえます。排泄はおむつ交換になり、食事も介助が必要です。入浴は自宅で入れてあげることはよほどの介護のプロでない限りは難しいでしょう。在宅で生活を続けていくためには家族からの支援はもちろん、在宅介護サービスを利用することが不可欠になってきます。逆にいえば、介護サービスを利用すれば、たとえ要介護５になったとしても、これまで通り家族と一緒に生活を続けていくことは可能です。また要介護５になると一日を通してベッドで過ごすことが大半となります。介護用ベッド選びの際は是非3モーター式のベッドをおすすめします。食事の際は頭側をギャチアップし、足先のむくみを改善する際は足側のギャッチアップが必要になります。またおむつ交換の際はベッドの高さを変えることで、介護者は少ない負担でおむつ交換を行うことが可能となります。本人はもちろん介護者の負担軽減のためにも、ベッド選びは慎重に行ってみてください。
介護保険の利用限度額
要介護４の方が利用できる介護サービスの限度支給額は、月に36万2170円と定められています。このうち利用者の支払額は自己負担額の１割(ただし一部の高所得高齢者は２～３割負担)になります。
注意しなくてはならないのが、ひと月の介護サービスの利用額が限度支給額を上回ってしまった場合は、オーバーした分の費用は全額自己負担になってしまいます。介護サービスの利用回数に関しては、支給限度額をオーバーしないように、担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)と相談しながら調整してみてください。
要介護５で利用できる介護保険が適応されている介護サービス
自宅で生活している要介護者が利用できる介護サービスにはさまざまな種類があります。
今回は沢山ある介護サービスの中から、要介護の５方におすすめの介護サービスをご紹介します。
訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排せつ、衣服の着替えなどの身体介護や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。
訪問看護
自宅まで看護師が訪問し、療養上の世話を受けることができるサービスです。
ショートステイ(短期入所生活介護)
短期間でお泊りができ、食事や入浴、排せつの介護を受けることができるサービスです。
小規模多機能型居宅介護
一つの施設で、デイサービスとホームヘルプとショートステイの３つのサービスを受けることが出来るサービスです。
福祉用具レンタル
福祉用具を介護保険が適用された価格でレンタル・購入できるサービスです。
介護リフォームによる住宅改修費の支給
段差の改修や手すりの取り付けなど、自宅で安全に暮らすための住宅改修工事を介護保険から支給するサービスです。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、原則要介護3以上から入所することができます。介護度が高くなるにつれ入所の順位は上がります。
まとめ
以上、要介護５の具体的な身体状態や利用できるサービスについての解説でした。常に介助が必要な状態ではありますが、必要な介護や医療などのサービスを上手に利用することで、これまで通り自宅で生活を続けていくことは可能です。本人はもちろん家族にとってもより良い生活を送ることができるように、担当のケアマネジャーと相談し様々な可能性のあるプランを検討してみてください。