AIスーツケースとは?視覚障がい者を支える移動支援ロボットと介護DXの可能性

第73号令和7年11月

 

先月2人の研究者のノーベル賞受賞のニュースに日本中が湧きました。生理学・医学賞の坂口志文大阪大学特任教授と化学賞の北川進京大副学長。共に京大卒の74歳。「制御性T細胞」と「多孔性金属錯体」。ニュースの解説を聞いても内容はチンプンカンプンですが、「一つ一つ」(坂口氏)、「無用の用」(=無駄なものにも価値がある・北川氏)」というお二人の言葉に感銘を受けたのは私だけでしょうか。さて、日々の中の小さな気付きや発見、皆さまにお役立ていだける情報を盛り込んでお届けしております「オカセイ便り」。今月もお付き合いのほど、何卒よろしくお願いいたします。 

 


 

 

こんなところにもAIロボット!! 「AIスーツケース」から思うこと

 


どんどん進化するAIロボット。「AIスーツケース」をご存知ですか。視覚障がいのある方を目的地まで自動で誘導することを目的に開発されたAI搭載の移動支援ロボットです。盲導犬に代わるスーツケース型のロボットといえばイメージし易いのではないでしょうか。私はテレビ報道で見ましたが、先月閉幕した関西万博の会場で複数のAIスーツケースが希望者に貸し出されたので目にされた方も多いかもしれません。日本科学未来館と一般社団法人次世代移動支援技術開発コンソーシアムと企業が技術協力を行い、大型ショッピングモールや空港などでの一般ユーザーによる実証実験を経て万博会場で試験的に運用されました。介助者の手を借りず一人で安全に気軽に目的地まで行けるとあって、現段階では視覚障がいを持つ当事者から高い評価を得ているようです。 



日本科学未来館の館長、浅川智恵子さん(66歳)は AIスーツケースを開発した中心的な人物。ホームページリーダー(ウェブページを音声で読み上げる音声ブラウザソフト)の開発者としても有名です。報道によると14歳で視力を失った浅川さんは翻訳家になるべく勉強するも断念、試行錯誤でプログラマーに転向して猛勉強し、世界に名を馳せるコンピューターサイエンティストになったという努力家。インタビュー動画で「目に障がいを持つ自分だからこそ開発できた」と話す浅川さんのコメントに心が刺さりました。 


一方、AIロボットといえば介護分野でも開発が進んでいます。例えば介護ベッドではマットレス下にセンサーを設置し、睡眠深度や離床をリアルタイムに把握できるものや、天井に取り付けたカメラに映像をシルエット化して利用者さんの動きを検出するベッドなども登場しています。介護の人材不足や財源が深刻化する中、国では介護の効率化や省力化につながる介護のDX化に注力しており、リサイクルベッドを扱うオカセイでもこうした動向に注目し準備を進めています。ただ、AIやロボットによる介護や見守りは、使い方を間違えば監視や身体拘束につながったり人の尊厳を損いかねないという側面も。機械任せにせず、人としての温かさや尊厳を忘れることなく慎重に使いこなしたいものです。 

 

自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」紹介映像