要介護2について
要介護認定が行われ、「判定の結果は要介護2です」と伝えられても、普通に生活していれば、2という数字が何を示しているのか、いまいちピンとこない人のほうが多いと思います。
今回は、要介護2が示す具体的な意味合いや利用できる介護サービス、利用限度額などについて分かりやすく解説します。
要介護の具体的な身体状態について
要介護の中では比較的軽度とされる要介護2ですが、具体的にはどのような身体状態を指すのでしょうか?要介護2の身体状態と生活を送るうえでの注意点について見ていきたいと思います
要介護2の具体的な身体状態
以下は、要介護2の身体状態を判定するうえで、一つの基準となる考え方です。
・身だしなみや居室の掃除などの身の回りの世話の全般に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とする。
・立ち上がりや片足での立位保持などの複雑な動作に何らかの支えを必要とする。
・歩行や両足での立位保持などの異動の動作に何らかの支えを必要とする。
・排泄や食事に何らかの介助(見守りや手助け)を必要とすることがある。
・問題行動や理解低下がみられることがある。
抽象的な表現にはなってしまいますが、以上が要介護2の身体状態になります。要介護1と比べると、身の回りのちょっとした動作においても、声掛けや見守り、手助けなどの介助が必要になってきます。
要介護2の方の日常生活での注意点
上記で要介護2の大まかな身体状態や特徴を解説しましたが、実はその判定基準は一つの目安でしかありません。例えば、身体機能面は元気だけど認知症状が強く問題行動が多くみられる人や、脳梗塞などの後遺症により体に麻痺が残ってはしまったが、認知症状は無く頭はクリアな人など、同じ要介護2でもその特徴は様々です。大切なのは、前者であれば、認知症対応型の介護サービスを選択したり、後者であれば、リハビリを中心としたサービスを選んだりなど、その人に適した介護サービスを選択してあげることです。
また要介護2の状態は、今後の進行を早めるか緩やかにするかを分ける大切な時期ともいえます。必要な介護サービスやリハビリを怠ってしまうと、要介護度が知らず知らずのうちに重くなってしまい、最終的には介護者である家族の負担が今以上に増す可能性もあります。担当のケアマネージャーに、いま現在困っていることや大変だと感じていることと合わせて、今後の不安や見通しも一緒に相談してみましょう。
介護保険の利用限度額
要介護2の方が利用できる介護サービスの限度支給額は、月に19万6160円と定められています。このうち利用者の支払額は自己負担額の1割(ただし一部の高所得高齢者は2~3割負担)になります。
注意しなくてはならないのが、ひと月の介護サービスの利用額が限度支給額を上回ってしまった場合は、オーバーした分の費用は全額自己負担になってしまいます。介護サービスの利用回数に関しては、支給限度額をオーバーしないように、担当の介護支援専門員(ケアマネージャー)と相談しながら調整してみてください。
要介護2で利用できる介護保険が適応されている介護サービス
自宅で生活している要介護者が利用できる介護サービスにはさまざまな種類があります。
今回は沢山ある介護サービスの中から、特に代表的なサービスをご紹介します。
訪問介護(ホームヘルプサービス)
ホームヘルパーが自宅を訪問し、食事、入浴、排せつ、衣服の着替えなどの身体介護や掃除、洗濯、買い物などの生活援助を行います。
訪問リハビリテーション
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの専門職員が自宅を訪問しリハビリテーションを行います。
デイサービス(通所介護)
日帰りで通い、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受けることができます。
デイケア(通所リハビリテーション)
日帰りで通い、リハビリテーションを受けることができるサービスです。
ショートステイ(短期入所生活介護)
短期間でお泊りができ、食事や入浴、排せつの介護を受けることができるサービスです。
小規模多機能型居宅介護
一つの施設で、デイサービスとホームヘルプとショートステイの3つのサービスを受けることが出来るサービスです。
福祉用具レンタル
福祉用具を介護保険が適用された価格でレンタル・購入できるサービスです。
介護リフォームによる住宅改修費の支給
段差の改修や手すりの取り付けなど、自宅で安全に暮らすための住宅改修工事を介護保険から支給するサービスです。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームは、原則要介護3以上からの入所となります。
認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
認知症対応型共同生活介護は、認知症診断を受けた要介護1以上の方で、事業所と同じ市町村に住んでいる方が対象となります。
まとめ
今回は要介護2の具体的な身体状態や利用できるサービスについて解説しました。利用者本人のためはもちろんですが、ご家族の介護負担軽減を図るためにも、担当のケアマネージャーと相談しながら、使える介護サービスは上手に活用してみてください。